鹿児島県の山奥にポツンと佇む一軒家には、79歳の女性が1人で暮らしている。
6~7年ほど前に火事で母屋が全焼する悲劇に見舞われ、新しい家を建てるも3年半前に夫を亡くしたが、79歳女性は寂しそうではない。彼女が笑顔なのと、この土地を離れない理由について『ポツンと一軒家』(ABCテレビ)3月3日放送回が紹介した。


結婚を機に鹿児島県の山奥にやってきたという79歳女性。かつてこの地には他にも家が4~5軒建っていたが、6年ほど前から彼女が暮らす“ポツンと一軒家”しかない。
79歳女性が知る限り、150~160年ほど前から夫の先祖が暮らし始めたそうだが、ポツンと一軒家自体は比較的新しい。その理由は、6~7年前に起きた火災で母屋が全焼して立て直したからだ。


火災の原因は、石灰肥料の自然発火だった。
「夜9時くらいだったんですけど。『なんかおかしいね、桜島の音かな?』と思って外を見たら、真っ赤になっているから『あっ火事だ』って慌てて逃げた」「消防車も何も間に合いませんでした」と、79歳女性は当時について語った。
幸いなことに彼女たち夫婦は無事だったものの、築100年以上の歴史がある茅葺屋根のポツンと一軒家は全て燃えてしまった。

ショックを受けた79歳女性は、この地を離れることも考えたが、彼女の夫は「生まれ育って先祖が残した土地だから」と同じ場所に家を建て直した。
それから夫婦は、新しいポツンと一軒家で仲睦まじく暮らしたが、2人を再び悲劇が襲った。なんと、夫が膀胱がんや前立腺がんを患い、3年半前に83歳で他界したのだ。
コロナ禍だったために、79歳女性は夫と病院でほとんど面会できなかったそうで、「残念でしたよ」と悲しそうに当時を振り返った。

夫の死後も山を下りずに1人きりで暮らしている79歳女性だが、不思議と寂しそうではない。彼女には、2人の子どもと3人の孫、さらには3人のひ孫がおり、ポツンと一軒家へ毎週遊びに来てくれるのだ。
さらには、亡き夫の妹たちも食事や談笑をしに頻繁に訪ねてくるため、79歳女性は元気に楽しく過ごせている。「みんなで支え合いながら生活しています」「ここを守るのは私だと思っている」と、彼女は終始笑顔を絶やさなかった。
