
『カニノケンカ・ニ』は、イセエビがレーザーを放ち、魚類が縦横無尽に暴れまわる『NEO AQUARIUM』や、オープンワールドな海鮮……海戦ゲーム『エース・オブ・シーフード』など、海産物が戦うゲームを作らせたら右に出るものはいないゲーム開発サークル・カラッパゲームス(@nussoft)が手掛ける甲殻類アクションゲームです。

開発者自身が海産物なのではないかという疑いを抱きそうになるほど、海産物をモチーフにした作品を作りつづけているカラッパゲームスですが、奇抜な設定だけに留まっていません。甲殻類対戦ゲームとして、まさに唯一カニ。いや、唯一無二なしっかりと面白いゲームになっているのです。
そんな本作の先行プレイレポートをお届けします。
※執筆にあたり、事前にPLAYISMよりゲームの試遊コードを提供いただいています。
床にひっくり返せば勝ち。シンプルだけど奥が深い
筆者は前作のファンとして、続編をひそカニ楽しみにしていましたが、今作でも“相手をひっくり返して3カウント数えたほうが勝ち”というシンプルでわかりやすいルールが採用されていることに安心感を覚えます。
そして、本作では新たに騎手としてカニに乗る人間や、育成のサポートを行う育成員が追加されました。人とカニが手を取り合い、力を合わせて戦うゲームとして進化しているのです。
カニだけじゃなくて人もいます。育成員がカワイイ

「そもそも、カニを戦わせて面白いのか?」と疑問を抱くかもしれませんが、それは大間違い。カニが戦うからこそ熱い!
左右のスティックとボタンを使って2つのハサミを操り、相手の攻撃をガードしてから反撃。ときにはハサミで直接つかんでからダメージを与える。ゲージがたまったら“スペル”を使ってストック中の武器を召喚したり、ハイパーモードを発動して、必殺のカニオウケンでパワーアップ……強力なカニハメハを与えて一発逆転!
これだけの要素を持ちながら「ひっくり返せば勝ち」という単純な勝利条件に行き当たるからこそ面白い……! 甲殻類ならではの駆け引きと派手なバトルこそが、本作の魅力と言えるでしょう。そしてなぜか、カニが食べたくなってくる……。

今回は左右のハサミを別々に動かすことに加えて、カニに乗る騎手でギミックを操作したり、落ちている武器を拾って持ってきたりと、前作に比べると少しだけ複雑になりました。
その代わり、本作では格闘ゲームでおなじみ“モダン操作”が導入されています。モダン操作だと、右スティックでまとめてハサミを動かせるのでラクチンです。
さらに、オートマチックスキルを装備すればカニから降りたあとも賢く戦ってくれます。レバガチャでボコボコ戦っても楽しめますし、騎手との連携を考えた戦略的な戦いも可能です。

前作は物理演算によるカニ同士の戦いが熱いゲームでしたが、ストアの開発者コメントでも“前作から3年経ち、「物理演算格闘」も「カニ」もさほど珍しくなくなりました”とあるように、今ではどちらも当たり前……そ、そうかな……。
そういうことにしておきますが、物理演算による一種のもどかしさが魅力だったバトルから、より自由に立ち回れるアグレッシブなバトルへと進化しました。
ザリガニやロブスターも参戦します。カニとは……?
選べるカニは現状でも全部で33種類。ケガニ、ハナサキガニなどのおなじみのおいしいカニから、クマドリオウギガニ、アカテガニなど沢遊びで見かけるカニまで参戦しており、きっと“推し”のカニが見つかるはずのラインナップです。
対戦で選べるステージは「闘蟹場」や「蟹賊船」、なぜかドキドキしてしまう「カニトラップダンジョン」など、14種類の特徴的なステージが存在しています。

カニに乗るアバターは騎士と幽体に加え、3Dヒト型アバター作成アプリケーション「VRoid」で作成したモデルを使うことも可能。自分で作ったキャラクターを参戦させて、お気に入りのカニに乗せることだってできちゃうのです。

自分だけのカニを育成できる“キャリアモード”
前作のオフラインモードはステージを選んで攻略していく形でしたが、今回は“キャリアモード”という育成型のモードに変更。これは、定められた期間内で、挑戦するバトルを選んでカニを育てていくクラブ活動のようなモードです。
育てたカニはオンライン対戦でも使用できるので、自分の好きなようにスキルや武器を集めてカニの成長を実感しながら、オンラインに向けた理想のカニづくりを楽しめます。前作でも強化はあ