ニューラルステムの「Nsi-566」幹細胞治療法、完全な対麻痺状態にある脊髄損傷患者を神経学的に改善する

- ニューラルステム、慢性脊髄損傷を治療するための神経幹細胞の人体移植について初となるヒト臨床試験データを公表 -

I相試験で第1コホートの胸部 (T2-T12) ASIA-A等級脊髄損傷被験者4人は、損傷を受けてから1224カ月後に、ヒトの脊髄から生成された神経幹細胞の髄腔内注射を受けた
移植から1827カ月経過しても重大な有害事象はなく、被験者全員の経過は良好であった
運動・感覚機能と電気生理結果を分析したところ、4人の患者のうち、3人で改善が見られた

メリーランド州ジャーマンタウン発, June 05, 2018 (GLOBE NEWSWIRE) --  神経系疾患向けの新規治療を開発しているバイオ製薬企業、ニューラルステム (Neuralstem, Inc.、NASDAQ: CUR) は本日、学術誌「セル・ステム・セル (Cell Stem Cell) 」に公表した「NSI-566」に関する試験結果を発表した。この試験結果は、ヒトの脊髄由来の神経幹細胞系 (HSSC) であるNSI-566の移植が慢性脊髄損傷 (SCI) 患者に有益であることを証明するものである。公表内容はここをクリックすると閲覧可能である。

「ヒトに対して初めてとなる慢性脊髄損傷治療のための神経幹細胞移植の第I相試験(A First-in-Human, Phase I Study of Neural Stem Cell Transplantation for Chronic Spinal Cord Injury) 」と題された論文は、VAサンディエゴ・ヘルスケア・システム (VA San Diego Healthcare System) の神経外科部長兼UCサンディエゴ・ヘルス (UC San Diego Health) の外科手術教授で、治験責任者のジョセフ・D・チャッチ (Joseph D. Ciacci) 医学博士が上席著者として執筆したものである。試験の主な目的は、安定した胸部脊髄損傷被験者に対するNSI-566移植の安全性を評価することであったが、神経学的欠損、神経生理学、神経因性疼痛の変化など、付加的な評価項目も測定された。

被験者は神経幹細胞移植後、少なくとも18カ月、最大27カ月間にわたり評価されたが、重大な有害事象はなく、経過も良好であった。運動・感覚機能と電気生理結果を分析したところ、NSI-566移植後、患者4人のうち3人で改善が見られ、チャッチ博士は、「失われた機能を回復するための治療法は現状見当たらないが、幹細胞治療法は脊髄損傷の治療法として素晴らしい可能性を秘めている。今回の臨床試験は、安全で患者にとって有益である可能性を示唆しているため、この方向での一つのステップとして役立つものだ」と発言している。

ニューラルステムは、患者の安全を確認するため、頸部脊髄損傷患者を第2のコホートとする試験を開始した。ニューラルステムの最高経営責任者 (CEO)、リッチ・デイリー (Rich Daly) は、「これらのデータは極めて期待の持てるものであり、ヒトの脊髄由来の神経幹細胞が脊髄損傷患者の機能改善に役立つ可能性があることを示唆している。今回の治療が第2コホートの中核を成す頸部損傷被験者に及ぼす影響について、私たちは期待している」と語った。

脊髄損傷について
一般的に脊髄損傷 (SCI) とは、疾患ではなく、外傷を原因とする脊髄損傷全般を指す。ただし、疾患が原因である場合もある。SCIは米国では毎年12,500例が新たに発生していて、SCI患者の総数は240,000~337,000人と推定されている。慢性脊髄損傷 (cSCI) とは、一般的に初期損傷から6カ月経過した段階を指す。SCIは、索状組織または馬尾の側屈や脱臼、回転、軸負荷、過屈曲または過伸展に起因する外傷が大半である。SCIの一般的な原因は自動車事故であるが、そのほか、転倒、作業中の事故、スポーツ外傷、刺創や射創などの穿通も含まれる。一部事例では、SCIは癌、感染症、椎間板疾患、脊椎損傷、脊髄血管疾患など、外傷が原因でないものもある。

ニューラルステムについて
ニューラルステム (Neuralstem, Inc.) は、医療上のアンメットニーズが大きい神経疾患のための新規治療を開発している臨床段階向けバイオ医薬品会社である。同社には以下の2つのリード開発候補がある。

NSI-566は霊長類麻痺モデルで機能回復が示された。本研究の要点はピア・レビューの学術誌「ネイチャー (Nature) 」に発表されており、その全文はここをクリックすれば閲覧できる。

ニューラルステムの多様な製品候補のポートフォリオは独自の神経幹細胞技術に基づくものである。

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